三谷幸喜原作・脚本・監督映画『清須会議』を観てきました

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清須会議

2013年11月9日公開の映画『清須会議』を観てきました。清須会議は本能寺の変と山崎の戦いに続いて行われた織田家の後継者と領地の配分を決定した会議ですが、どちらかと言うとマイナーな題材という気がします。そこを三谷幸喜監督がどのように魅せるのか楽しみにしながら観に行きました。



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映画『清須会議』は三谷幸喜流の硬派な時代劇

全体を通してはこれは硬派な時代劇だなと思いました。まず「清須会議」という題材。上にも書きましたが本能寺の変や山崎の戦いに比べるとマイナーな気がします。映画として見た場合にも戦争を中心にした方が派手で面白い映画ができそうな気がします。

しかし、年がら年中戦争をしているわけではなく、むしろ戦争以外の政治的な駆け引き的なものが本来メインなんですよね。なので「清須会議」にスポットを当てたということは歴史好きのチョイスなのかなぁ、と思いました。

この映画は2時間30分ほどありますが、冒頭で簡単に本能寺の変と山崎の戦いに触れた後は戦の場面は無く、登場人物同士の駆け引きをメインに進行していきます。

三谷幸喜監督の作品というとやはり喜劇。時代劇というとおカタいイメージが有りますが、予告編を見てもおカタい部分を削ぎ落として笑かしてくれそうな期待を持たせてくれます。しかし、硬派な時代劇です。三谷幸喜作品としては。

もちろん笑える場面が無いわけではありません。ただ、最小限のポイントに絞られていて、ストーリーをきちっと描き歴史の面白さを伝えようとしているように見受けました。これが三谷幸喜流の歴史の描き方、歴史好きの人が作った映画なのかな、と思いました。

 

印象に残ったあの場面

豪華キャストのシリアス、コミカル織り交ぜた演技は言うまでもなく見事でしたが、印象に残った場面を挙げてみたいと思います。

  • 中谷美紀演じる寧の踊りが意外にキレていた。
  • 小日向文世演じる丹羽長秀の葛藤。
  • 役所広司演じる柴田勝家のやられっぷり。戦の場面が無いこともあるしそういう描き方ということなんだろうけど、織田家筆頭家老としてはアホ過ぎるというか残念な扱いでかわいそうになった。
  • 伊勢谷友介演じる織田三十郎信包(おだ さんじゅうろう のぶかね)のM字開脚。変わり者っぷりを表現したのかもしれないけど、その後が普通にカッコ良かったのでかえって意味不明な感じがした。
  • 剛力彩芽演じる松姫の最後のキメ顔。あのメイクであのキメ顔をさせたらああなるってのを計算してたのだったらスゴイと思う。
  • 細かいけど秀吉の指。知りませんでした。
  • <番外>もっと細かいけど山寺宏一のさまざまな声に気づけませんでした。(エンドロールを観て)

 

生々しい人間ドラマを三谷幸喜独特のタッチで描いた作品

私は歴史に興味はあるものの清須会議も含めそれほど詳しくなく、登場人物も3分の1程度しか知らない状況でしたがストーリーの把握に支障は無く楽しんで観ることができました。

政治的な駆け引きがメインですが、どういった意味があるのか分かりやすく描かれていたので、理解できずに首を傾げてしまうような場面は無かったように思います。

三谷幸喜監督の過去作品のような喜劇モノを期待している、あるいは歴史に興味が無い方、例えば「え、信長ドコー?」「トウキチロウ?は?」っていう感じの方は観ない方が賢明でしょう。あと、「登場人物大杉、だりーな。」って方も止した方がいいでしょう。

歴史好きの方、そこまで行かなくても戦国時代の歴史にいくらか興味がある方であれば三谷幸喜翻案の「清州会議」としてその解釈を楽しんでみてはいかがだろう。

 

役所広司 (出演), 大泉洋 (出演), 三谷幸喜 (監督) 形式: Blu-ray

 

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Posted by yoichi