梅棒 2nd ACT 『ウチの親父が最強』大阪公演千秋楽を観てきました

ダンス

ウチの親父が最強ポスター@HEP HALL

2014年2月9日に大阪・梅田のHEP HALLで上演された梅棒 2nd ACT 『ウチの親父が最強』を観てきました。先日、東京公演の初日を観てきましたがどうしてもまた観たくなり大阪まで遠征してきました。

しかも千秋楽。東京公演も含め大千秋楽です。回を重ねるごとに進化しているという今回の舞台。その集大成を見届けてきました。



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梅棒とは

「踊りは気持ちだ!」をモットーに観る人をとにかく楽しませる事を目的とした男性JAZZダンス集団。ストリートダンス界においてダサいとされていたJ-POPをあえて使用した、笑いあり、感動ありのストーリーを表現するエンターテイメント性の高い作品群で、複数のストリートダンスコンテストで特別賞などを受賞。

梅棒 2ND ACT「ウチの親父が最強」オフィシャルサイトより

梅棒は分かりやすいストーリーと構成、J-POPに乗せたJAZZダンスと演技で喜怒哀楽を表現、笑いと涙と感動の舞台を展開しています。ダンスの公演なのですが演劇的要素もあり、簡単に言うとダンスで演じる演劇、という感じでしょうか。

梅棒の舞台はイベント出演も含め過去に3回ほど観ていますが、振り切ったJAZZダンスとマンガみたいな笑顔が印象的で、釣られまいと思っていても勢いのあるパフォーマンスで涙腺と腹筋を崩壊させられます。

 

東京公演について

ウチの親父が最強ポスター

梅棒 2nd ACT 『ウチの親父が最強』は五十嵐家の家族の物語。家族に降りかかる災難とそこからの立ち直り、垣間見える様々な愛。

家族モノということで良く言えばスベらない、悪く言えば無難すぎるストーリーでいかにして魅せてくれるのか楽しみに東京公演を観ました。

J-POPの曲、歌詞に合わせ思わず泣いたり笑ったりしてしまうツボを突いた構成、演出が素晴らしく、スピード感のある展開で90分があっという間に過ぎ、観た後は爽快な感動に包まれました。

個性派キャストのパフォーマンスも凄かったです。東京公演はダブルキャストのそれぞれで違った表現を見ることができ、Aキャストは身体能力をフルに使ったアクロバティックなパフォーマンス、Bキャストはダンス以外の演技や魅せ方が印象に残りました。

 

そして大阪公演へ

ウチの親父が最強パンフレット

東京公演の初日を観て以来、もう一度観に行きたいと思っていて、大阪公演はキャストが入れ替わり、一部の登場人物のキャラクターも変わるとのこと。日毎に変化していく舞台なのでどうせなら千秋楽を観ようと大阪までやって来ました。

大筋は同じなので東京公演の初日と比べ変わった点を中心に書いていきます。

ホールに入ってまず目を引いたのは舞台。東京公演が上演された東京芸術劇場 シアターイーストよりホール自体も舞台も狭く、舞台上のセットもコンパクトになっていましたが、ポールダンス用のポールがしつらえてありました。

東京では舞台セットの骨組みでポールダンスをしていた九十九(つくも)の愛人・四葉を演じるIG(アイジ)さんのパフォーマンスが存分に観られそうな予感。

舞台の形が東京公演と変わっているのでキャストの出方はけ方も変わって見た目も変わりましたが、細かいアクションが追加されていて各場面の表現に奥行きが出ていたのに感心しました。

父と母の出会い〜お付き合いの場面は最初観た時より間を取っているように見え、運命の出会い感やラブラブ感を引き立てているように感じました。

息子が牛乳を一気飲みして出かける場面では娘も登場して家族の仲良し感がより出ていましたし、五十嵐家 vs 九十九組第一次抗争で九十九組のメンバーが「犬をさらうぞ」って打ち合わせをしてたり、九十九が四葉にプロポーズしたり。

単に私が見逃していた部分、東京初日から大阪千秋楽までブラッシュアップされてきた部分などあると思いますが、作品として高められてきた感じが見て取れて大阪まで遠征してきて良かったなと思いました。

はじめにポールのことに触れましたが、BARの場面でIGさんの濃厚なパフォーマンスがスゴかった。東京公演でも度肝を抜かれましたが大阪でも技の限りを尽くして魅せてくれました。身体能力もさることながらサービス精神というかパフォーマー根性がステキです。

東京ではたくさん飲ませて父を潰していましたが、大阪ではパンツから取り出したアヤシイ薬物を酒に入れて潰していましたね。

このBARの場面から母が出て行く場面への一連の流れは個人的お気に入り場面の一つです。そういえば父がちょっとだけポールダンスで四葉と絡むんですが、父、ポールダンス上手くなってるよねw そら母出てくわw 長ネギ持って歌い出すわw

この長ネギも最初観た時は模造品だと思ったのですが、大阪では生でマイクが根っこの方に付いていました(東京では青いところに付いていた)。長ネギはこの後どうしたんでしょうね。「出演者で美味しくいただきました♡」ってのを期待したいところ。

母が出て行く場面のアンサンブルでIGさんが入っているのですが、最後の方でポールを使ってたのが面白かったです。

変わったといえば忘れてはいけないのが娘のあられ。アラレちゃんメガネをかけていて『白馬の王子さま』という少女漫画が大好きなパッとしない感じの女の子になっていて、東京公演とはかなり雰囲気が変わっていました。

成長後も幼少期と服装があまり変わらず髪型が三つ編みになったくらいで鈍くさい感じ。このキャラクターでロンバケの一場面の音声に合わせて口パクで演技するんですが、山口智子の声とあられの鈍くささが意外にマッチしていて面白かったです。

口パクといえば、上記のロンバケの後であられの彼氏・一文字瀬名が口パクで「ちょ待てよ」って言ってたのも秀逸でした。

鈍くさい感じのあられですが、最後の場面ではメガネを外し、髪もほどいてステキなあられになっていました。鈍くさいあられに合わせたのか父の性格というかあられに対する当たり方も軌道修正されていて、この父にしてこの娘ありな感じがしたのも印象的でした。

 

愛だろ、愛っ

見た目的なところばかり書いてきましたが、今回の舞台が多くの人を魅了した要因の一つとしてキャストの皆さんの熱の入れようが挙げられると思います。

配役やAキャスト、Bキャスト、大阪公演に出演するしないにかかわらずキャストの皆さんが家族のように一丸となり舞台上で最高のエネルギーをもってパフォーマンスを魅せてくれたのだと思います。

公演中、分かる範囲でキャストの方のツイートやブログを見ていましたが、作品にかける意気込みとともに千秋楽を迎えるにあたりこの現場を離れがたいという思いを綴られる方もいました。

さらには大阪公演に出演しないキャストさんが雪の中大挙して大阪へ応援に駆けつけたりして、舞台上のみならず舞台の外でも家族愛を見たような気がして、舞台は数えるくらいしか見たこと無いのですがこういうのってなかなか無いんじゃないかなーと思いました。

そんなこんなで大団円を迎えた大千秋楽。

公演が終わったら「あまロス」ならぬ「ウチパパロス(ウチパパは『ウチの親父が最強』の略)」になるんじゃないか?とか「明日、ウチパパがいない」日々をどう過ごしていったらいいんだろう?と思っていました。

しかし、最後にキャストの皆さんが並んで挨拶するのを見て、やり切った感がとても清々しく、前向きに日々を過ごせそうです^^

3月にはCSテレ朝チャンネルの「SOLD OUT!」という番組で2014年1月23日(木)に上演された東京公演Aキャストの初日がほぼノーカットで放送されるそうです。

梅棒の公式ブログで公演のセットリストも公開されているので、曲を聴きながら浸りつつ次の公演を楽しみにしたいですね。

参考:

 

梅棒 2nd ACT 『ウチの親父が最強』については以下の記事を書いています。

 

 

ダンス

Posted by yoichi